「Nの会の事務所に遊びに行って来た」

　こないだうちのIバンドのリーダーのIさん（身体障害者41歳♂）が、4月のライブで12月にやったライブの主催のNの会でアコーディオンを弾いていたNさん（30代♀）を使いたいから、Nの会の事務所に偵察に行って来てくれないかと頼まれたんで、毎
月第1、第3火曜日の5時半から練習してるんで、俺もエレキ持って、埼玉大学（南与野）のそばの事務所に遊びに行った。ここの事務所は仕事する場所でもあるが、練習スタジオとしても使っている。機材もアンプからミキサー、マイク、ドラム等何でも揃ってい
る。

　5時過ぎに着き、事務所に入ったらすでに、人が集まって準備をしていた。12月のライブ以来、久しぶりに代表？のTさん（50代初め、♀）に会えた。相変わらず元気なオバさんだ。

　メンバーは15、6人来ていて後から2人来た。半分介助者、半分障害者（みんな知的障害）位のバランスだ。障害者の人は太鼓一人、旗ふり一人（一番大変そうだった）、残りの人は歌を歌う。楽器はドラムとパーカッションが一人、ベースが一人、アコギが二
人、チンドン屋が使ってる小太鼓と鐘が付いたやつ一人と俺のエレキだ。後、アコーディオン、フルート、三芯？（三味線の小さいやつ。沖縄の楽器）が一人づつ。

　まずは準備体操やって、発声練習やって、新曲「かっこよくなりてー」とゆうB♭のワンコードの単純な曲をやる。みんもすぐ覚え、俺も簡単に出来た。歌詞も単純で「俺は世界一かっこよくなりてー！みんなからデブと言われるから、やせてあの娘とデートし
てー！やせてやせてかっこよくなりてー！」ってな感じだ。これをデブの知的障害者（二人いる）が張り切って歌っている。大声出して歌って、満足そうだった。やせる気まったく無しって感じが笑える。みんないいキャラだ。

　新曲を何回かやり、いつもやってる曲をやる。10曲位あって、オリジナル6曲（「にじやのうた」、「かねもちになりたい」、「こわしてあげる」、「かたづけよう」、「がんばろう」、「いじめ」しかし凄いタイトルだな）とカバー4曲（「蒲田行進曲」、「安里屋（あさどや）ユンタ沖縄民謡」、「東京節」、「インターナショナル」）をやって終わり。1時間位だったが、みんな全力で歌ったり、踊ったりするから、ヘトヘトになっている。俺は知らない曲がほとんどだったが、簡単なコードなんで、何とか出来た。今までやった事がない楽器も入って、賑やかで、とても楽しくやれて良かった。

　練習が終わり、片付けをして、俺はTさんに「うちここの上だから、コーヒーでも飲みに来なよ」と言われたんで、寄らせてもらった。Tさんは離婚してるが、息子さんと住んでいる。プロかアマか知らんが、ダンサーで、友達と3人でヒップホップを聞いていた。

　Tさんもロック世代で、昔のものから最近のものまで、俺より詳しい。頼もしいオバさんだ。美味しいコーヒーを飲んで、駅まで車で送ってくれると言うんで、お言葉に甘えて送ってもらった。　

　やっぱ音楽はロックだろーが何だろーが、楽しくやらなきゃつまらないよな。うちのIバンドはまず演奏ありきって感じで、しごかれるし、滅多に歌ってくれないから、練習してても全然面白くも楽しくない。

　Iさんはやってて楽しいんだろーか？ 段々疑問に思って来た。Iさんは一体何で音楽をやってんだか分かんなくなって来た。
　もっと気楽にやってもらいたいもんだ。とNの会の人達と練習して思ったのであった。

終