その93 「もー嫌だ！もー駄目だ！どーすりゃいーんだ？！」

　弟のヤローが、うちを出たっきりまだ戻って来ない。

　俺が寝てる間にいなくなったから、夕方だろう。チャリンコで出かけてるから、まだ雨は降ってなかったハズだ。

　どこへ何しに行ったんだか。こないだも出たっきり、帰り道が分からなくなり、パチンコ屋に保護されるし、その前も迷子になったのか、次の日の朝帰って来るし、一体何やってんだ？外で寝たのか？もー勘弁して欲しいよ。電話くらいかけろっつーの。それともうちの電話番号忘れたか？

　俺の頭は混乱しまくって、一体何からやっていーのか優先順位が付けられず、そのうち何をやったらいーのか分からなくなり、行動出来ずにただ途方に暮れている。明日は大丈夫か？俺。気ぃ狂うんじゃなかろーか。

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　現在朝の六時半。弟がうちを出てから十二時間が過ぎた。近くにファミレスはないし、二十四時間やってるとこはファミリーマートと山田うどんくらいだ。そこに行ったとしても、こんな時間まで居させてはくれないだろう。

　友達なんていないハズだし、もしや事故か？とも思ったが、一応身分証明書みたいなのは持ってるだろーから、何かあったらうちに連絡来るハズだ。

　一体どこに何しに行ったんだろう？買い物ならファミリーマートで済む。そこは一本道で行けるから、いくら何でも道に迷う訳がない。謎だ。

　結局、昨日は寝れなかった。まー散々寝たからだろう。起きてる間、救急しゃのサイレンとうちにある電話にビビるよーになり、恐怖症になってしまった。携帯ならどこからの電話か分かるが、うちのだと分からないから、もしかして病院からで、良くない知らせかなと思うと、受話器が取れない。

　とりあえず何としてでも今日はやらなきゃなんない事しなきゃヤバいんで、やるしかない。酒飲んでるから、寝たらまた起きれなくなるから、寝ない事にする。でも弟が帰って来ない事には外に出られない。
　カギ開けっ放しってのもなー。まーいーや。どーでもいーや。何とかなんだろー。駄目なら駄目でいーや。どーにでもなれだ。もー疲れた。

終わり